新しい季節を迎えて。。
あの悲しい一日から、ひと月以上が過ぎました。
その間に、お母さんの身の回りの事を、お父さんやお姉ちゃん、彼や親戚のおじさんさんたちと、ひとつひとつしっかりと整えて、気持ちを前へ向かうように毎日を過ごしていた。
それでも、未だにお母さんはどこかに行っているだけで、次に静岡へ帰るときには、お母さんが笑って立っているような気がしてならない。
思い出すことはたくさん。
お母さんと過ごした日々は短くても、思い出はたくさん。
春が大好きだったお母さんのこの季節は特に、思い出が多くて少し悲しい。
彼は将来の事を、忙しい毎日の中でゆっくり考えるつもりだったらしい。
でも突然こういうことになってしまったから、急ぎ足で近い将来のことを考えなくちゃいけなくて、ちょっと辛そうだった。
”あのね・・・静岡に帰ってもいい?”
すごくいろんなことを考えて、交錯しながら出した結論だったのだと思う。
話し始めながらまた泣いちゃった。
私は彼のおうちに嫁ぐと決めたときから、東京を離れることを覚悟していた。
それでも、それから3年も東京で暮らさせて、実家の近くに住まわせてもらったのだから感謝しなくちゃ。
お母さんの突然の運命を受けて、”静岡で離れて暮らす大切な人たちにもいつか突然こんなことが起きたとしても、東京じゃあ何も助けてあげられない。” 彼がお母さんにしてあげられなかったことへの大きな後悔が、心を潰してしまいそうなほど大きくのしかかっているのだろう。
彼が成長する過程で、実家の商売を手伝っていたお母さんの代わりになってくれた人たちが静岡には本当にたくさんいて、その人たちがお母さんよりずっと高齢の人たちばかりで、いつ何か病気や事故にあってもおかしくないから、その時に何の手も差し伸べられないのは申し訳ない・・・と。
それに一人残ってしまったお父さんの、生活の支えをお姉ちゃん夫婦だけに任せるのも、それが原因で二人がもし仲悪くなっちゃりしたら、って・・・私もそれは気になっていたことだったし、何よりお父さん・お姉ちゃんにしてあげらることがあるならしてあげたいって思ってたし。 迷わず静岡へ帰ることを決めた。
友人とお食事したときにそのことを話した。
「本当はイヤでしょう?」
彼女にはウソはつけない、何でもお見通しだわ。
「生まれてからずっと東京で、すっかり東京がしみついちゃったbuzzちゃんが、静岡で暮らすなんてつまらないでしょう?大丈夫?」
そうね。。。私だって考えないわけじゃない。会社帰りに大好きなお友達と大好きな街でお食事とか、週末のショッピングとか”銀ブラ”とか、したいときにできなくなっちゃうんだなー。。なんて。
東京に住んで、やっぱり東京が大好きと改めて実感して、なおさら東京に執着して・・・確かに離れたくない。 家族とも離れなきゃいけないし、ね。
でも、彼は毎日お電話するほど大好きなお母さんの元を10年離れて東京でくらしていたんだから。
きっとその10年の間に、帰りたいのに帰れない時が何度もあったでしょう。
今度は私が頑張る番だよね。 私が家族と離れる番。 本当なら3年前にそうなるべきところを、これまで一緒にいさせてもらったんだし・・・ね。
それに、銀座も大好きだけど、お父さんの毎日の方が今の私にはよほど大切だ。
お父さんの毎日の寂しさから救ってあげたい。私たちが行くだけでそこから開放されるなら、そうしてあげたい。 お父さんのことのとっても愛しているから。。。
「毎週末でも東京に帰ったっていいんだよ。」
そんなこと言ってくれるダンナさん、いないわよね普通。
新しい生活・環境が待っている。
甘えん坊の子供のような私が慣れるまで、きっと時間がかかってしまうだろうな。。
それとも意外と早く順応してしまうかしら?
お父さんとbuzzと一緒なら大丈夫。
彼と一緒なら。
それまでしばらく大好きな東京を、愛する家族と、そして彼と満喫しよう。
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